「お待たせしました」
「……っ!!」
矢島くんと今日までの話をしながら注文したのを待っていると、ウェイターさんが来た。
しかもそのウェイターさんは……爽太くんだった。
「ココア……は、菜奈ちゃんかな?」
「は、はい!」
私の前にココアが置かれる。
飲み物の中でココアが大好きな私は、学校の自動販売機でもしょっちゅうココアを買ってて……。
たまに先輩と会ったりしてたから、覚えられてたみたい。
「俺さ、ちょっとだけ休憩もらってるから、5分だけいいかな?」
爽太くんが矢島くんを見てそう言った。
「いいですよ、そのつもりでしたし」
「だよね」
え? え?
ど、どういうこと!?
「それで、君はいつから気づいてたの?
俺らが付き合ってること」
「え!?」
不覚にも大きな声を出してしまって、咄嗟に口を抑える。
爽太くんはそんな私を見て、ふふっと笑った。