やっぱりちゃんと、爽太くんに話して、それから矢島くんにも付き合ってるってこと話そう。
ちゃんと言わなきゃ、失礼だもん。
なんて言われるか考えただけでも怖いけど、
逃げちゃだめだ。
今日の夜、爽太くんに電話しよう。
―――……
「……もしもし、菜奈です」
『うん、こんばんは。
電話越しでもなんか大切な話なんだなって分かっちゃったよ』
うっ……。
なんでいつもすぐバレるんだろう?
じゃなくって!!
「あ、あの……矢島くんのことなんですけど……」
『……うん?』
「爽太くんと付き合ってること、話してもいいですか?
き、きっと、言いふらしたりはしないと思うんです。
矢島くんは私と爽太くんが付き合ってることを知らないから……その……」
なんて言っていいのか分からずで、ひたすら頭の中で考えていると、爽太くんの声が聞こえた。
『菜奈の言いたいことはちゃんと伝わったよ。
……そうだね。真剣に本気な彼にとって失礼だよね』
……それからまた、少しの沈黙のあと、爽太くんは言った。
『話していいよ、彼に。
ただ1つだけ。菜奈から話が終わったら連絡して?それで、矢島くんと少し話させてほしい』
もちろん、彼の許可を取ったらでいいかって。
そういった。
何を話すのか少し気になったけど承諾して、その日は終わった。