「カップルって思われずに周れると思うの」
「……た、確かに」
「それに、王子は今年卒業なのよ？
王子は頭もいいし、受験して大学生になるだろうし、高校生の今と比べて会える機会なんて減るのよ？」
由良ちゃんの言う通りかもしれない。
今このときのことしか考えてなくて、この先のことなんてほとんど気にしてなかった……。
「誘ってみたら？ 王子。
私とは来年も周れるでしょ？」
……そう、だよね。
ダメ元で一回爽太くんに聞いてみよう。
「だ、だめだったら一緒に周ってね？」
「もちろん！ ほら、今のうちに行っておいでって！！」
1つ頷いて教室を飛び出した。
爽太くんのいる教室まで……あと少し。
