文化祭の前日。
この日は学校が準備に丸1日費やされる日で、前夜祭も行われる。
みんなクラスで作った服を着て、せっせと準備を始めていた。
劇も、出る人達は最後の通し練習だったり、私たちみたいな裏方担当は最終確認をした。
矢島くんとはあれから普通に話してる。
と、言うのも、矢島くんがあのあと謝ってきたんだよなあ。
『ちょっと急すぎたよね、ごめんね……』
って。
でも、俺の気持ちは変わらないからって。
……付き合ってることを隠すのが、こんなにも心痛いことなんて、思ってなかった。
だから今、先輩にこのことを話そうか迷ってるんだ。