ご飯も食べ終わった。 お風呂も入って、髪の毛も乾かした。 残るは……電話をするだけ。 龍哉くんが、話してくれた恋愛のこと。 そんな素振りも見せなかったけれど、考えただけでも苦しくなる。 だからきっと、龍哉くん自身はもっと……。 だから私だって、頑張れるもん。 今度こそは、私から、ちゃんと……。 意を決して通話ボタンを押した。 出て、出ないで。なんて思いながら数コール後、はいっていう爽太くんの声が聞こえた。 いつもと変わらないのか、なんなのか、 見えない声色だった。