体育館の側で龍弥くんを待つ。
部活後は龍弥くんと帰るのが恒例になってきてるんだ。
「悪い、待たせた……って、すげー強ばった顔してんな」
「えっ!?」
「崇人とのこと?」
龍弥くんの言葉に頷いた。
部活に戻ってすぐ、浮かない顔をしちゃってたせいで部員のみんなに心配された。
マネージャーがこんなんじゃダメなのに。
もっと落ち込んだ私を見て、陣先輩と龍弥くんが話を聞いてくれた。
崇人くんのこと、そして爽太くんが来てしまったこと。
「崇人はさー……」
歩きながら、龍弥くんが話し出した。
「菜奈が爽太くんのこと好きになって少ししたくらいかな。
菜奈のこと、好きになってたっぽいよ」
「結構前、なの?」
「そう。菜奈が爽太くんしか見てないからって、アピールもなんもしてない。
崇人が菜奈のこと好きってこと知ってるのもたぶん、俺だけ」
龍弥くん、矢島くんと結構仲がいいのは前から知ってたけど……


