「……!…な、…菜奈!」
「ふぁい!!」
ガバッと起き上がると、目の前には由良ちゃんがいた。
「あと5分で授業始まるから起きな」
「あ…ほんとだ…」
気づいたら30分は爆睡していたらしい。
教科書を取りに行こうと立ち上がると、
手元に紙の感触がした。
「菜奈が寝てる間にね」
由良ちゃんがそう言って自席に戻る。
手元には…置き手紙?なんだろう?
「……ええ!!!」
置き手紙の1番最後の文、爽太より。
その文字を見て、全てを理解した。
これは、先輩からの置き手紙で、
寝てる間にね、っていう由良ちゃんの言葉は、
私が寝てる間に先輩が来たと…。