部活も終わって片付けをしてた時、菜奈、と陣先輩に呼ばれた。
「爽太となんかあった?」
「えっと……」
「あのあと、爽太もすぐに部活戻って何も聞けなかったから」
陣先輩に言っても大丈夫かな……。
いや、意見を貰えるかもしれない。
「……爽太くんとマネージャーさん、最近すごく距離近くなってて……」
「ああ……」
「爽太くん、落ち込んでる私に気付いて心配してくれたんです。
でも、ヤキモチなんて恥ずかしくて言えなくって、つい当たっちゃって……」
「んで、あの空気ね」
「す、すみません……」
陣先輩、笑うことなく聞いてくれた……。
笑われるかもって、思ってたのに。
「確かに、最近爽太と早紀の距離近いな」
「早紀さん、って言うんですか?」
「元バスケ部のマネージャーだよ。俺らと同い年、3年」
そうだったんだ……。
「……爽太もさ、すげえ優しいだろ?
いい所なんだけど、逆に悪くもなるんだよ。
だからさ、菜奈が言わなきゃ伝わらない時もあるんだよ」
「……私、前から自分に自信なくて、
早紀さん、すごく綺麗で……その……」
「心配すんな、大丈夫だから。
それに、可愛い彼女の嫉妬なんて可愛くて仕方ないだろ。
見てる限り爽太、菜奈溺愛してるしな」
クスクス笑いながらいう陣先輩。
少し、心が軽くなったかも。


