「どうしたの?元気ないね?」



心配そうなに訪ねてきた爽太くんは、何だかちょっと困り顔。

いけない、隠さなきゃ。



「な、何でもないですよ!元気です!ほら!」



元気だよアピールとして拳を作るも、爽太くんは依然として困り顔。



「……なんかあった?」



「なにかって……なんにも……」



「そうは見えないけどなあ。
……空元気っていうか」



そんなこと、そう言おうとしたのに。



「元気ですってば!!」



「え……」



「あっ……」



爽太くんに向かって、叫んでしまった。



爽太くんは驚きと悲しみが混じった表情をしてて、もうどうしたらいいのか分からなくなった。



そのとき、丁度、陣先輩が通りかかった。



「あれ?なにしてんの?」



「あ、陣先輩……」



「……やあ、陣」



「…………」



相当空気が悪いと思う。
陣先輩も私と爽太くんを交互に見たあと、私に別の仕事を言った。



正直、この場に居られる気がしなくてすごく助かった。



分かりましたと返事をしてその場を一旦去ったとき、ちらっとみた爽太くんの顔はすごく真剣で、少し悲しそうだった。