「爽太くん、私また仕事に戻らなきゃなの……菜奈のことお願いしちゃっても平気かしら?」
「大丈夫ですよ」
「助かるわ!ありがとう!!
それじゃあ、菜奈。安静にしてるのよ〜?」
七海さんはそう言って、また仕事へ出かけてしまった。
毎晩菜奈の寝顔確認してるって、菜奈のことちゃんと大好きなんだなって分かっただけでも安心した。
なんだか勢いが菜奈にそっくりだったし。
「……爽太くん」
「うん?」
「今日、いてくれて本当にありがとうございます!
助かったのももちろんだし、一緒にいれるのも嬉しいし、寂しい気持ちが全くないの、爽太くんのおかげです!」
……そういうこと、無自覚で言うんだもんな。
そっと菜奈に近づいておでこにキスをした。
「口は風邪が治った時だね」
「……!」
真っ赤になる菜奈を見ながら、
俺自身も照れ隠しをした。