「風邪だって連絡来たから一旦仕事抜けたのよ〜!
ほら、菜奈はいつも風邪のとき寂しすぎて泣いちゃうでしょ?」
そういえば泣きそうだった……
なんて、絶対に言えないけど。
菜奈は少し口を膨らませながら、俺の作った夜ご飯を食べてる。
「爽太くん、だったかしら?」
「はい。すみません、いきなりお邪魔して……」
「いいのよ!助かったわ!
普段家に帰ってあげられてないから、少し心残りだったけれど……。
最近どことなくいい顔で寝てるなって思ったら彼氏が出来てたなんて、もう!」
早く言ってくれれば良かったのに、と興奮気味の菜奈のお母さん、七海さん。
できるキャリアウーマンって感じがする。