爽太くんに起こされながら、目の前におかゆが差し出される。
卵入ってる……美味しそう……だな……
「菜奈!寝ないで!」
「はっ!」
しまった、また夢の世界に入るところだった。
気を抜くと意識が飛びそうになるのを必死でこらえていると、横からため息混じりの、もうが聞こえた。
「かして」
お粥を手元から取られ、爽太くんを見ると、お粥を掬ってふーふーしてる。
「はい、あーん」
「……あーん?」
「いいから、口開ける!」
「あーん」
口を開けると、程よく暖かいお粥が口の中に。
そして、味付けもやはり完璧だった。


