少ししてからスマホが振動した。
……電話だ。爽太くんかな?
なんて思いながらディスプレイを確認すると、案の定、爽太くんからだった。
『菜奈、お家デート、しよっか』
「……へ?」
『家の前にいるから』
「え、えっ、ええ!?」
病人とは思えないスピードで飛び上がって玄関向かえば人影があった。
そっとドアを開ければ、そこには笑顔の爽太くんが。
「風邪なのにごめんね、立たせちゃって」
「ぜ、全然!大丈夫ですっ!」
あまり状況が飲み込めないまま爽太くんを中に通して、私の部屋に案内する。
爽太くんの手には冷えピタだの、ゼリーだの、果物だの……
とにかく沢山のものが入ってた。