校門を出て、龍弥くんはよるところがあるからと別れた。
少し歩いて、着信音が響いた。
ディスプレイを見れば、爽太くんだった。
「は、はい!」
『菜奈、ライン今見た、ごめんね』
どうやら今は1人らしい。
私のことを、菜奈と呼んでいる。
「いえ、大丈夫です!」
『今日から、なんだよね?
だからさっき学校に?』
「はい!一応、夏休みは臨時でやります。
二学期以降は夏休み中に考えようかなって」
そのあと数秒間、沈黙が流れた。
『……陣、だよね部長』
「あ、そうです!」
『陣には付き合ってること言っていい?』
「……?大丈夫ですよ!」
『ありがとう、それじゃあ、また連絡する』
「はい!お疲れ様です!」
『菜奈も、お疲れさま』
爽太くんとの電話がすごくすごく久しぶりで、なんだか嬉しくなっちゃうなあ。


