それよりも……
リビングのど真ん中に置かれた、いちごたっぷりショートケーキ。
いちごが大好きだっていうから、頑張って探してきた甲斐があった。
菜奈はすごく嬉しそうにしてくれた。
「お昼ご飯、作ってあるんですけど……」
そういって菜奈はキッチンから温め直した大量のご飯を持ってきた。
「いつもお弁当なので、今日はたくさん作りました!」
そういってるけど、ほとんど俺の好物だったりで、それもまた嬉しくなってしまった。
「俺の好きなものばっかりでいいの?」
「せんぱ……爽太くんが美味しそうに食べてくれるのが嬉しいので……!」
はにかみながらそういう菜奈が可愛くて。
俺はそっと抱き寄せて、おでこにキスをした。
「へ、へっ!?」
抱きしめたり、手を繋いだりした事はあるけど、おでこでもキスはしたことなかったから。
菜奈らしい反応だなあ、なんて思いながら
お昼食べよっか、と言って席についた。
……菜奈の顔、真っ赤。
可愛いなあ、もう。


