「私ずっと心配してたんですよね」



少ししてから由良ちゃんが俺を見てそう言った。



「菜奈の一方通行なんじゃないかって。
でも……今日会って安心しました。
王子、ちゃんと菜奈のこと好きなんだなって」



……王子?



よく分からないけど、心配をかけていたらしい。



そう思われても仕方ないか……。



「由良、王子は伝わんねえよ」



「あー、そうね。うん。
一ノ瀬先輩。菜奈のことお願いします」



そういった頭を深々と下げた由良ちゃんに、
同じように頭を下げた。