「ごめんね、黙ってて。
いつか言おうって思ってたんだ。でも……こんな俺、カッコ悪すぎるでしょ?」
力なく笑った先輩はそっと私の手を握った。
「……ごめんね、中途半端なことをして」
ぶんぶんと力いっぱい首を振った。
先輩。そんなことないです。
「教えてくれて、ありがとうございます」
私はもう片方の手で先輩の手を包み込んだ。
少しでも、私の気持ちが伝わりますように。
「先輩、ごめんなさい。
私もやっぱり……最後にはできないです。
やっぱり先輩のこと大好きですもん!」
そう言うと、先輩は目を見開いて微笑んだ。
ああ、やっといつもの先輩だ。