そして翌年の4月1日になり、新入社員が部署へ挨拶にやってきた。
俺の所属する広報部には新入社員が2人。
その中に松岡さんはいた。
見つけた瞬間、胸が激しく鼓動した。
たくさんいる新入社員、たくさんある部署の中でまさか同じ部署に配属されるなんて。
こんなことはあるのだろうか。
俺がじっと見つめていると、彼女と視線があった。
そして彼女は微笑んで、軽くお辞儀をした。
彼女は俺のことを覚えてくれていたのだろうか。
去年会ったときよりも髪は短くなっていたけれど、綺麗なストレートの黒髪は変わっていなかった。
俺は去年の飲み会の夜に経験した胸のときめきを、再び思いだしはじめていた。