「じゃあお言葉に甘えて、今日は夜通し飲みますよ!眠れないと思っておいてくださいよ!」

「もちろんですよ。お酒用意しますね」

冷蔵庫からビールを取り出す三枝さんの後ろ姿に問いかける。

「圭介さんを忘れられるくらいの素敵な人、この先現れますかね…」

この先圭介さんを引きずって恋愛に臆病になりそうで、不安だった。
誰かを愛することにより傷つくのが怖い。

「現れますよ…きっと」

「三枝さんに言われると、なんかそんな気がする。不思議」

「それはどうも。じゃあ、飲みましょうか」

「はい」

しばらくは圭介さんを想って泣く夜もあるかもしれない。
けれど三枝さんがいたら、そんな夜でも乗り越えられる。
そんな気がした。