「おい!何してるんだよっ!」
八木昴くんが部屋に入ってきたかと思うと、彼は僕を突き飛ばした。
なかなかの力だな。
僕は起き上がってお腹のあたりをさする。
「昴!?」
「この淫行教師!美々に手を出すな!」
彼は彼女を抱きよせる。
もう我を忘れて大胆なことをしていることさえも気づいてないようだ。
そうか。
君はやっと、そうするか。
「あら八木昴くん、おはようございます。あなたもお早い登校で」
僕は服についたほこりをはらいながら、そう言った。
「いま美々にキスしようとしたの見たぞ。先生が生徒に手を出していいんですか」
「あれ、見られていましたか。ドアがきちんと閉まってなかったですしね」
「最近よくふたりで会ってたみたいだけど、美々のこと好きなのかよ」
彼は相当独占欲が強いようだ。
彼女もこれから苦労するだろうな。
「あなたには関係ないでしょう」
「はあ?」
かなりイライラがピークだな。このまま一気にたたみかけるか。
「八木昴くん。あなたこそ私たちの邪魔をする権利はありませんよね。なぜ邪魔をするのですか」
「美々は大事な幼馴染みだから…」
まだそんなこと言っているのか。
ここまできて。
僕はついため息がこぼれる。
「それだけで、柏木美々さんの恋愛にまで口出しする権利はありませんよね。なら私と彼女がどうなろうがあなたに関係はないでしょう」
強めの口調で煽ってみたがどう返してくるか。
これ以上誤魔化すようなら、少し考えなければならないな。



