もう一度、あなたに恋していいですか

「八木昴くんが羨ましいですよ。こんな可愛い双子に好かれているなんて」

バレてるって顔をしている。
やはりこの姉妹は感情が顔に出てわかりやすいな。

「何を言って…」

「好きなんですよね。八木昴くんのこと」

「…」

黙ってしまった。
何て言おうか迷っているのか。

「昴は手のかかる”弟”ですよ」

いくら双子でも性格は違うようだ。
お姉さんは強情なようだ。

「ふふっ…お姉さんは素直じゃないですね。認める気はないと、そういうことですね。ずっとそうやって我慢してきたんですね」

「我慢なんてしてません!」

彼女は手に持っていたマグカップを机にドンと大きな音を立てて置く。
少し怒らせてしまったか。

「柏木美々さんは、お姉さんと八木昴くんが両想いだと思ってますよ。だから柏木美々さんは諦めようとしていたみたいです」

「え…?」

お姉さんは柏木美々さんの恋心には気づいているようだが、諦めようとしているのは気づいていないようだ。

「本当は八木昴くん、柏木美々さんと両想いなんでしょう」

「…だから、今日確認しに来たんです。最近先生と美々が仲が良いから、昴が嫉妬しててっ」

本当にこの3人は不器用だ。
八木昴くんも直接いいに来たらいいものを、柏木寧々さんに頼んだのだろう。

「柏木美々さんが僕のほうに心が動いたかもということですか」

「はい」

僕はふふっと笑って珈琲を置く。

「柏木美々さんの恋愛相談に乗っていただけですよ」

「そう…」

「八木昴くん、相当妬いていましたか?」

「ええ。ご飯も手につかないほどにね」

「じゃあお互い様ですね。あなたたちも親密な振りをしていたのでしょう?」

「うっ…」

彼女は言葉に詰まっている。