もう一度、あなたに恋していいですか

「…柏木美々さん、暗くなる前にそろそろ帰られてはどうですか。夜道は危ないですから」

柏木寧々さんは僕に用があるようだ。
彼女がここへ来だしたのを察してのことだろう。

「ほんとだ、もう5時半過ぎじゃん。そうします」

彼女はスクールバッグを手に取り、立ち上がる。

「今日も話を聞いてくれてありがとうございました。珈琲も御馳走様です」

「いえ。またいつでもどうぞ」

「はい。じゃあさようなら」

僕は彼女の使ったコップを机からさげて、新しいコップを用意する。

「気を付けて帰ってください」

彼女を見送ったあと、僕は扉から顔をだし隠れている柏木寧々さんに声をかけた。

「何かご用ですか」

彼女は驚いて、ビクッと身体を震わす。

「さ…西條先生…」

僕が裏庭で柏木美々さんに話しかけたときと同じ反応だ。
やはり双子だな。

「お話しするのは初めてですね。柏木寧々さん」

「そ、そう…ですね」

「どうぞ入ってください。珈琲を御馳走しますよ」

僕は保健室の扉を全開にして、彼女を中に招き入れる。
彼女は少しためらったあと、僕の言葉に頷く。

「…わかりました」

彼女が保健室に足を踏み入れたあと、僕は保健室の扉を閉めた。