もう一度、あなたに恋していいですか

「す…昴!?」

確か八木昴くんは幼馴染みだったか。
心配であとをつけてきたんだな。
谷玲奈さんの言う通りだ。

「お前さ、美々のこと本気で好きなの?」

「あ、ああ。もちろん」

彼は中川くんに近づいて、目の前で立ち止まる。
かなり怒っているようだ。
彼もまた、彼女が好きなのだろう。

「嘘つけ。お前この前、寧々にも同じこと言ったそうだな」

「うっ…」

さすがにそれは彼の耳に入っていたか。
怒るのは当然だな。

「え…そう、なの?」

「ち、ちが…」

「何が違うんだよ。中川、お前どっちでもいいんだろ。言っておくが、寧々と美々は全然違う。見た目は似てるが、中身は全く違う。そんなこともわからない奴に美々を好きになる資格はない。とっとと失せろ!」

かなり修羅場だな。
しかしさすがに殴りあいの喧嘩になって僕の出番…ってことにはなりそうもないな。

「何だよお前ら、もういいよ!」

中川くんは捨て台詞を吐いて、怒りながらその場を走り去った。
もとはと言えば君のせいだろう。

「何だよあいつ。…気にすんなよ、美々」

「あり…がとう」

彼は相当、柏木美々さんを溺愛し過保護にしているようだ。
なのに彼女は気づいていない。
ちょっと彼が不憫になる。