「あ、やべ。宿題やらないと今日当たるわ。そろそろ教室行くぞ美々」

「あ、うん」

昴はドアを出るときに一度振り向いて、先生に言う。

「先生ありがと。これから俺もたまに遊びに来るわ」

「ええ。いつでもどうぞ」

「先生ありがとう。私もまた遊びに来ます」

「ええ。待っていますよ」

そう告げて昴と美々は保健室を出て、私が隠れている方と反対側に向かった。

ふたりが手を繋いでいるのを見たとき、本当に私の恋は終わったのだと実感した。
なのに涙は出なかった。

ちゃんと幸せにならないと許さないからね。
美々、昴…。