キミの一番になりたい










退屈な授業も終わり、あっという間に放課後。




帰り支度をしていると蒼空が寄ってきた。




「ほら、早く行くよ!!」




そう言うや否や、私の手を掴んで教室を飛び出す。




ちなみに、私たちは帰宅部だからよくこうして遊んだりしている。




まぁ、ウチの学校は寄り道禁止なので先生にばれないようにしないとなんだけど・・・。









学校から蒼空の家まではそんなに遠くない。




あっという間に蒼空の家に着いて、いつも通りおばさんに挨拶をすると




慣れた足取りで蒼空の部屋に向かう。




勝手に部屋に入り適当に座って蒼空を待つこと数分、ふいに部屋のドアが開いた。




「今日はオレンジジュースだよ~」




「ありがとー!」




蒼空からジュースを受け取り、一口含んでから本題に入った。




「さて、蒼空の好きな人を聞いてあげようじゃないの。」




唐突過ぎたのか私の言葉で蒼空がジュースを吐き出しそうになった。




「あっぶな、吐いたらどーすんの!!」




「しーらない。今から洗いざらい吐いてもらうんだからいいじゃん」




笑いながらそう言うと、蒼空も観念したようにわかったよ。と話し始めた。