椅子に座って俯いている蒼空を見て、私は聞いた。




「・・・で?誰なの、蒼空の好きな人」




珍しく私が主導権を握れたと思ったから、からかうようにして蒼空を見る




すると、早くも立ち直ったのか




「それ聞く?聞いちゃう?」




いつものうざったらしい蒼空に戻っていた。




まぁコイツらしいか、と思いながら、別に興味ないから、というと




えー聞いてよー。と頬を膨らませた。




そのままにしておくと面倒だったので、仕方なく話を聞いてあげようと




口を開いた時、タイミングよく予鈴が鳴った。




「放課後、蒼空の家ね。」




私が簡潔にそう言うと、りょーかい!!と言って自分の席に戻って行った。




今日の授業はあと一時間。




仕方ない、親友の話を聞くために頑張るか。