私がそういうのにはワケがあった。
私たちが通う”藤の華中学校・高等学校”は、
校則がものすごーく厳しい学校のため、みんなが憧れる高校生活とはほど遠いのだ。
「そりゃスクールラブはきついけど恋人作ってデートして・・・って憧れない?」
あまりにもキラキラした目で言うものだから思わず言い返す。
「そういう蒼空はどうなのよ」
それを受けてうっ、と言葉を詰まらせながら何かを言った。
「・・・・・・るよ」
「何?」
「いるってば!好きな人!!」
顔を真っ赤に染めて、バンッと机に手をついて立ち上がった。
教室にいたクラスメイト達が一斉に蒼空を見る。
その視線に気づいて慌てて、あはは、なんでもないよ、ごめんねーと謝る。
そして俯きながら再び椅子に座った。