私と諒の出逢いはほんのちょっとしたことだった。

小学校6年生の私、高校3年生のお兄ちゃん、そして高校2年生の松浦諒。

お兄ちゃんの後輩だった諒が家に来たことが始まりだった。









「ただいまー」

玄関から声がする。

お兄ちゃんの声だっ!

まだ夕方の4時ごろなのに・・。

高校生のお兄ちゃんがこんなに早く帰ってくることは珍しい。


「おかえりなさーいっ」

私は2階の自分の部屋から出てドタバタと廊下を走り階段を駆け下りた。


「お、おいっ、沙都っ、階段を走るなっ」

「大丈夫よーーおにーちゃーんっ」

そう言った瞬間に私は足を踏み外した。


「きゃーーーーっっっ!!」


「沙都っ!!」

お兄ちゃんの叫ぶ声が聞こえる。


やだっ、怖いっ!


「ーーーーっっっ」


ーーーーーバタン!