胸いっぱいGYU




あの人影もない細い路地で交わした熱くて艶かしいキス・・。

私、きっとずっと忘れられない・・。


「・・・あ・・」

そういえば・・・。


「ねぇ・・諒・・?あの路地にあった小さな画材屋さんあったの覚えてる?」

学校近辺の割には誰も立ち寄ることのない通り・・。

それがあの路地。

そこに私以外の客をみたことがない画材屋さんがある。

めちゃくちゃ穴場でこれでもかってくらいの品揃え。


諒に教えてあげよっと。

きっと気に入るよね。


「あの画材屋さんね、私の行きつけなんだ。高校入ってからずっと通い続けてるの」

得意げな顔をしている私に諒は『ぷっ』って笑いをこらえている。


「な、なによ・・人がせっかく・・」

感じ悪いわねっ、まったく・・。



「知ってるよ、あの画材屋も、お前が通ってるのも」



「・・・え?」



「・・・オイ、お前・・オレと久住さんの話立ち聞きしてたんじゃねーのかよ・・」