胸いっぱいGYU

「だからオレ、今ここにこうしてお前といれることが幸せだ。もう会えないと思っていたお前に会えて、そのうえ夢まで叶った・・」


諒は窓の外の夕陽をじっと見据えたまま話す。

その横顔はやっぱり・・キレイで・・。

私が恋をしたそのものの彼だった。


昔の自分と今の自分が一致する・・。

改めて私は諒に『一目惚れ』した。

好きだったし、愛していた。

けれども、今私は再度『恋』をしてしまった。



「・・ズルいよ・・」


「え?」


私の言ったセリフに諒は外に向けていた目を私の方に移した。


「どうして・・私ばっかりドキドキしてるの!?なんでこんなに私のことドキドキさせるのよ!」

明らかに心拍数が上がってきた・・。


一瞬驚いた顔を見せた諒だったけど、その顔はだんだんと和らいでいった。