ぴぴぴp(ポチ
おはようございます。只今の時刻、A.M.4:30
「んぁ~……はぁ…眠……」
お母さんには5時半って言われたけど、せっかく高校に行けるならやりたかったことをやっちゃおう! と思って早起きしてみた。やりたかったことってなんだって?それは…
「よし!作るぞ!!」

手作り弁当!


料理できるのかって?料理上手な両親が並んでキッチンに立ってるのを見るのが好きだった私は、2人に教わったからそれなりにできるんだよ!

ついでにお父さんとお母さんの分も作って、(正直1人分も3人分も手間は変わらないけど)余り物を朝ごはん用にお皿に盛ったところで、お母さんとお父さんが起きてきた。

「おはよう、愛華。随分早いわね。」
「お母さん、お父さん、おはよう。お弁当作ってみようと思ってね。」
「へぇ、いいじゃないか。」
2人の分もあるよ、と言うととても喜んでくれたので、作ってよかったと思う。

朝ごはんを食べてから、お母さんと2人で準備(男装)をしてみる。
「まずは…これね!」
と言ってお母さんが取り出したのは、ウィッグ。
そういえば言ってなかったけど、ロシアと日本のハーフであるお母さんの遺伝で、私の髪は銀髪だ。ついでに言うと、瞳も緑。
日本じゃあんまり見られない色だよね。
「これからもバイクには乗るんでしょ?それなら髪を染めたり切ったりしない方がいいと思うの。でもそのままは目立ちすぎるでしょうし…」
「うん。黒髪すきだよ。これ被ってみるね。」
肩下まである銀髪を黒髪のウィッグに押し込んで軽く整える。お、結構いいかも。

「いいじゃない。そしたら次はこれね。」
そうして出てきたのはカラコン。目立つもんね、緑は。少し明るい茶色のそれをはめてみると、いっきに日本人らしくなった。

「後はこれを巻いた上から肌着着て制服着れば完成ね。」
渡されたさらしを巻いて……まあそこまで劇的には変わらないけど…制服を着る。いい感じ。
「どう? お母さん。」
「かっこいいわね!ちゃんと胸はって堂々としてなさい。細身なのは仕方ないから、オーラでおっきく見せるのよ!」
オーラ(笑)


ってあれ?今さらっと着たけど…制服いつからあったんだろ……私が行くって言うの分かってたのかな。怖いから言わないけど。

「偽名はお父さんと考えたのよ。高崎愁也っていうの。愛華が男の子だったらつけようと思ってた名前なのよ。苗字はお父さんのお母さんの旧姓をもらったけど。」

こうさきしゅうや…そっか、私もしかしたら愁也君だったのかもしれなかったんだ。そう思うとこの名前に愛着がわいてきた。

「さ、そろそろ行きましょう。お父さんがバイクと一緒に車で送ってくれるって。」
「うん!」
下に行くと、お父さんが
「なかなか似合ってるな。」
と言ってくれた。私を送ってそのまま仕事に行くという2人と車に乗って、後ろに百龍の年上メンバーが譲ってくれたお下がりの愛車を乗せてもらう。



今日が、私のはじまりのあさ。