はぁ〜…着いた〜…。



私の大好きな場所。




駅の裏にある海岸

すごく落ち着いて海を見ていると
嫌なことも全部吸い取ってくれるんだ





気持ちいな〜夜の海って。

あの船に乗ったらこんな世界から抜け出せる

どこに行っちゃうんだろう

私も乗せて行ってほしいな

逃げたい。こんなこと思っちゃだめかな…





私の頬をツーっと涙が流れた








「また泣いてんの?」

この声は…




「櫻井……。」




「俺、ここ好きなんだ。嫌なこと忘れられる」

へぇ、櫻井もここ好きなんだね。




「好きなところ似てるね……ぐすんっ…」



「そうかもな」

「お前何があった?話したくなったら話せよ」





もう櫻井には話していいかなって思った。
私は辛いこと全部話した。
泣きながらぐちゃぐちゃな顔で…




「お前よく頑張ってるな」
「でも友達は大切にしてやれ。お前のことみんな心配してるから。」



「わかってる。バカだった…」




櫻井は友達のことを大切にしてるんだなって思った…。
大事なことを私に教えてくれてるんだ…。



「お前と俺似てんだよ…」




私には聞こえなかった。
でも櫻井は呟くようにそう言った。
海を見つめながら。




その横顔はすごく切なそうで苦しそうで。



帰り道私は櫻井の事情を聞いて驚いた…。