三次元なんか興味ない!

キーンコーンカーンコーン……。

チャイムが鳴った。

校門の方をチラッと見ると、数人の生徒たちが慌てて走ってる。





ま、いいや。

私には関係ない。

アニメ見よ♩


iPadのカバーを開き、画面をタッチしていつも見ているアニメ専用動画サイトを開く。


あ、これ見途中だった……。

続き気になってたのに、ほかの気になるアニメ見てたから、知らない話が更新されてる……。

よし!見よ。


鼻歌でアニソンを歌って、ご機嫌な私。


カーテンを挟んだ先には、下田が仕事をしていると思われるパソコンのカタカタという音。





遅い!


シャッ……。

「菫ちゃん!ビックリした〜。どうしたの?そんな不機嫌な顔して……」

ボソッ……。

「……遅い」

「え?」

「タイピングが遅くて、無駄が多い。パソコン下手くそ」


下田、パソコンの扱い下手すぎ!

音を聞いてるこっち側が、もどかしくてイライラする(怒)


「僕、パソコンあんまり得意じゃなくてさ。あっ!良かったら、菫ちゃんがお手本見せてよ」

「私に仕事させる気?」

「そういうつもりじゃないよ……」


ちょっと面倒臭いと思いつつも、これで少しでもタイピングが早くなるなら、と思い、下田を椅子から追い出すようにシッシッ、と手を振った。


「ひ、ひどい(泣)」

「文句あるなら私やらない」

「お願いいたします」

「うん」


私は、下田に打つ文を確認し、カタカタと打ち始める。


「早いね〜」

「いちいち語尾伸ばしすぎ。気持ち悪」


冷たく言い放つと、今にも泣きそうな様子の下田。

こんなにも精神が弱い人が、保健室の先生になれたなんて、信じがたい。


そうこうしている内に、私は、一部の文を打ち終わっていた。


「初めて見た……」

「は?」

「できそうだなって思ってたけど、まさかここまで早いとは……。新たな菫ちゃんの特技[PCでの文字打ち]発見!」


いちいちうるさ……。

騒ぎすぎだし。


私は、下田の声がうるさすぎて、耳を塞がずにはいられなかった。