私と薫はいわゆる幼馴染で、なんの縁か保育園

から小中高まで同じで今も一応親友 という分類

に入る…のであろう。 薫は世間でいう美少女で

スタイルも良し、性格もいい そんな女の子を

男子は見逃さないわけで…。 いつも薫と一緒に

いる私が、薫のことが好きな男子からも告白の

手紙やら誕生日のプレゼントから何から何まで

頼まれて、挙げ句の果てに私が好きになった人

は 必ず と言っていいほど、薫のことを好きに


なるという 悲しい負の連鎖が繰り返されて、

今日という日に至る

だから、私はいつも思う。


"もしも私が薫の隣にいても負けないくらい

可愛い女の子だったら…" と


でも薫は私が村上くんのことを好きっていうこ

とはまだ知らなくて、村上くんにも私の思いは

まだ伝えてなくて、 だから両方悪くなくて。

モヤモヤぐるぐると渦巻く感情に、自問自答し

ながら私は考える。

教室から人が出てきた

「亜美〜〜なにしてんの〜〜⁇」

「あ、莉子 ちょっと自分の中で自問自答してた


のかな?(笑)」

この子は高校で知り合った

須賀海 莉子 (すがうみ りこ)

優しくて面白くて可愛くて、どんな話でも真剣

に聞いてくれる莉子は、私の中ではお姉さん的

存在だ