シャ―――…… 私の呟きは車輪の音に消され、お寺からどんどん遠ざかる。 言い様の無い不安。 私は諭にしがみついていた。 『怖がらせた?』 『ううん…平気。』 私は更にしがみつく力を強める。 離してしまっては、 二度と逢えない気がしたから。 ――ねぇ、諭。 この時もっと真剣に聞いてあげていれば、良かったのかな? そうすれば、 貴方を救えたのかな?