残された私と…、優司
建物内にいた私たちは
ほかのお客さんが入ってくる前にと
そそくさと外へ出た
「紗枝も、相変わらずだな」
『どういうことよ』
久しぶりに会った優司に
キツイ言葉をかけられてしまう
「結局、紗枝は優しくされたら誰でもいいわけだろ?いつもそうだったろ」
そんなことない、と言いたかった
でも、今の状況で違うなんていっても
信じてもらえないだろう
「…言い返してこないのか?…らしくねぇな」
らしくない、
少なくとも
戸田くんより
久慈くんより
…孝より、私のことを知っているのは優司だ
『…ご、めんっ』
優司の存在が
今になってありがたく感じ
自分の中でなにかが切れてしまった

