『優司…』
久しぶりに呼ぶ名前に懐かしさと
恥ずかしさもある
「戸田、昔の悪い癖は相変わらずだな」
冷たい言葉を発しながら
優司は私達に近づいてきた
「いや、それは…。ってか、何しにきたんだよ、今日は用事があるって」
二人が話している内容が
頭に入ってこない
私はただ、優司から目が離せなかった
「ああ。でも…、お前が紗枝を誘うと聞いて、嫌な予感がしたんだ」
優司の手が戸田くんの肩を掴んだ瞬間
私の身体に触れていた
戸田くんの手がパッとはなれていった
「参ったなぁ…、もう終わって言ってただろ。今更だろ…」
戸田くんは後ずさりをしながら
逃げるように去ってしまった

