「大丈夫か?」
戸田くんの言葉に意識話取り戻した
タクシーを捕まえてくれたのだと
顔を上げるが
そこは見慣れない建物が並んでいた
『…戸田、くん?』
酔いと混乱で
状況を飲み込めない私は
戸田くんの顔を見る
「今更、だろ」
そう言いながら
目の前の建物へと入ろうとする
『ちょ、ちょっと、戸田くん』
戸田くんの身体から
離れようとするが
うまくチカラが入らず
足がもつれてしまう
「ほら、危ねぇって」
戸田くんの腕が筋肉痛さらに
私の身体を強く抱きしめてきた
逃げられない、
そう確信したと同時に
自業自得だと諦めてしまった

