「紗枝、大丈夫?」
『んー、』
酔った…
こんなに飲んだのは久しぶりだ
私、弱かったかな
頭の中でかんがえながら
でも思うように身体が動かない
戸田くんの支えもあり
何とか立つ事ができた
気がつけば
他の人たちはいなく
戸田くんと私だけ
『ごめん、…帰るね』
タクシーに乗って帰ろう
頭でそう考えるが
足はおぼつかない
「あぶねぇ、て。…まあ、いいや」
戸田くんの手に力がこもり
強めに抱き寄せられる
大学時代、酔っ払った後輩が戸田くんに
介抱してもらっていた姿を思い出した
戸田くんは
面倒見がよかったな…
そんなことを思い出しながら歩いていた

