「「かんぱーい」」
合図とともにグラスのぶつかる音
懐かしいな、と思いながら
アルコールを流し込む
日中、連絡をくれたのは
大学のサークル仲間だった戸田くんだった
まさか私の連絡先を知っていると思わなく
驚いたが、集まるということになり
私も誘ってくれたのだ
メンバーを見ると、懐かしい顔ぶれ
もしかしたら会えるかな?と
思って居た顔はない
「小鳥遊は来ないよ。ドタキャン」
そう教えてくれた戸田くん
残念な気持ちもあるが
内心、ホッとしていた
帰国してから、一度も会っていない
サヨナラも言わずに帰国したのは私
顔を合わせにくい気持ちもあった
彼が来れなくなったから
私に声がかかったわけか…、
そう思ったらアルコールが進んでしまった

