幸せになってもいいですか?



そうね、と言いながら
麻里さんはカップに口をつけた


「必要かどうかは、私が決めることでも、紗枝さんが決めることでもないわ…でも、誰かが必要だと言ってくれたのなら、私は必要だと思うけど」


常務に言われなかった?と
麻里さんは付け加えた


確かに常務からは
自分の我儘だと言われたが
それは、父の娘だから…
そう思っていた
私個人が必要なのかを求めているのだ


『必要だと言われましたが…私がいなくても、久慈くんや秘書長もいて、問題なく動いているのを見ると…』


いらない、と言われないだけ


手にしていたフォークを置き
どうしたらいいものかと頭で悩んでしまう