養父は弁護士を立て
私が支払いをしなくていいように
話をつけれくれた

そして、住む家を与えてくれ
諦めていた高校受験までさせてくれた



「紗枝ちゃん、俺は結婚も子育てもしたことがない。でも紗枝ちゃんの家族になることはできる…俺の娘にならないか?」


その申し出を断る理由がない
高校入学と同時に
私は東雲の姓を名乗ることになった

父と母の位牌と遺骨は
私が辛い事を思い出すといけないからと
養父が預かるといい
納骨堂へ納められている

命日ではなく
両親の誕生日にお参りに行っている



何不自由なく育ててくれ
大学まで行かせてくれた
ただ、大学入学直後に
養父の身体に異変が起き始めた