私の父…実父と会長と常務、そして養父は
いつも一緒にいた
会長と養父は二人のお兄さん的存在
年も一回り以上離れていたのもあり
よき先輩、よき相談者だったのだろう
三井電機へ来ないか、と
会長さんが誘ってくれたが
父はその話を断ったのだ
父は祖父が残してくれた
小さな工場を守りたかったのだろう
だが、うまく行かず
銀行にも見放され
困った挙句、闇金に手を出してしまった
それからは地獄だった
毎日、借金取りが
金返せと玄関のドアを叩く
母も父も死に物狂いで働き
お金を払うが、それも限界だったようだ
中学2年の時
学校から帰ると
父と母は無残な姿で横たわっていた
何がなんだか、わからないまま
二人のお葬式が終わってしまった

