バタン、と玄関ドアが閉まり
いつも以上に静けさを感じた
もう二度と孝に会わないと決めた決意
これでいい、と出した答えだが
涙が止まらない
『…勿体無かったかな』
孝と結婚したら幸せになれるだろう
孝はそれを見据えて
私にプロポーズをしてくれたのだろう
孝のことは好きだった
でも、誰かを想っていると
わかってしまったら
想い続けるのを諦めたのだ
私を見てくれない人を
追いかけていても無駄だと…
誰かが言っていた
“一番好きな人と結婚するより、二番目に好きな人と結婚したほうが幸せにだ”と…
そうは思わない
やはり私を一番に好きでいてくれて
尚且つ
私も好きな相手じゃないとダメ

