薔薇の棲む家

私はほほ笑んで、何も言わずに彼に軽くキスをした。

「椿(つばき)と呼んでいい?」

彼は私の名を呼んだ。

「うん。私も蓮と呼ぶよ」

私も彼の名を口にした。

結婚が決まった時、周りの女たちは口々に『玉の輿だ』と羨ましがった。


そうだよ。もっと私を羨めばいい。

羨んで、嫉妬して、そうやって醜く顔をゆがめていればいい。

あなたたちと私は違うんだから。