私はまた、ふぅ、と息を吐いた。

慌ただしくて、自由奔放な性格の彼女だが、明るく優しいため、恋人とも上手くいっているようだし、友達も多い。

それに引き換え、私には恋人もいなければ、友達も少ない。

少し寂しいな、と思いながら、私は近くにあった椅子に座った。手元にはさっき彼女にあげたのと同じのど飴がある。何となく口寂しいのでそれを舐めることにした。

のど飴特有の不思議な味。

昔はこの味が嫌いだった。だが、今は嫌いじゃない。

のど飴は私の大事な恋のきっかけだからだ。