「里乃ちゃん!
悠が、、悠が、、車に轢かれたの、、、!」

彼は、歩道に車が突っ込んできて、
近くにいた見知らぬ小学生をかばい、
轢かれたのだそうです。

私はバッグを持って立ち上がりました。


通りでタクシーを拾い
告げられた病院に行きました。

頭が真っ白になりましたが、

ただただ悠に会いたかったことを覚えています。


悠はベッドに寝かされていました。

医者が告げたことは

「半日もつか、わかりません。」

だったそうです。


私は祈りました。

彼が苦しまないことを。

真子さんとともに。


そして、悠は、

私の誕生日に

息をひきとりました。

25歳でした。

彼らしい

優しい、優しい、

最期でした。