「あ、の、、、」

その女の人が言った。

その人は、白くて、

細くて、

どこか儚げだった。

「あのっ、ライブ、お疲れ様でした。」

俺たちは口々に「ありがとう」と言った。

いつもの笑顔で。

すると、その人は美しい手で白い封筒を差し出した。

「読んでください。」

そう言って頭を下げる。

ああ、ファンレターか。

俺は受けとった。

彼女はほっとした表情を浮かべると

もう一度頭を下げ走っていった。