看護師さんから聞いた病室の前で、俺は一度

深呼吸をした。



コンコン………



??「はい。」



ガラガラ……



雄輝「失礼します。」


病室に入ると、ベッドには陽菜ちゃんが眠っ

ていた。




養護教員「伊戸川君、陽菜ちゃん今は眠っているけど明日には目を覚ますだろうって。」



雄輝「よかったです。」



養護教員「まだ帰らなくて大丈夫?お母さん心配してない?」



雄輝「はい、さっき母に連絡したので、それによくここで夜中まで勉強してるんで大丈夫です。」



そんな話をしていると、病室のドアがノックされた。



コンコン………


養護教員「はい。」


女の人が入ってきた。



??「すみません、来るのが遅くなってしまって。」



養護教員「いえいえ、お仕事中に電話してしまって申し訳ありませんでした。」



??「いえ、あの、そちらは……?」



雄輝「あ、伊戸川雄輝です。陽菜さんと同じ学校です。」



??「そうなんですか、陽菜の母です。」



養護教員「松澤さん、伊戸川君は陽菜さんが倒れているところを見つけてくれて、保健室まで運んできてくれたんです。」



陽菜母「そうだったんですか、ありがとうございました。」



雄輝「いえ。」



養護教員「じゃあ、私はこれで失礼します。」



陽菜母「本当に今日はご迷惑をおかけしてすみませんでした。ありがとうございました。」



養護教員「いえいえ、学校で待ってますと陽菜さんに伝えてください。」



陽菜母「はい、ありがとうございました。」



養護教員「では、失礼します。」



ガラガラ……


陽菜母「伊戸川君?」



雄輝「はい…?」



陽菜母「もしかして、伊戸川君のお父さんって陽菜の主治医かしら…間違っていたらごめんなさいね…」



雄輝「はい、そうだと思います。親父……あ、父はこの病院で働いているんで。」



陽菜母「やっぱり、そうだったのね。私何度か伊戸川君のこと見かけているのよ。この子、よくここの病院に入院しててお見舞いに来るのよ。」



雄輝「そうなんですか、俺よく親父のところで勉強教えてもらったりしていて。」



陽菜母「そうなの…ご家族の方には連絡した?あまり遅くなってしまうと、心配されちゃうんじゃないかしら…。」



雄輝「あ、はい。母にはもう連絡を入れていて…明日は学校も休みなんで、今日は陽菜さんのところにいると伝えました。父も今日は当直なので、病院にずっといるんで…」



陽菜母「そうだったの…じゃあ、陽菜のそばにいてくれるかしら…私、今日は夜勤で、また仕事に戻らないといけないの…」



雄輝「はい、目が覚めたら連絡します。」



陽菜母「ありがとう。じゃあ、電話だと繋がらないかもしれないからメールアドレス教えるわね。」



雄輝「はい、ありがとうございます。」







陽菜母「じゃあ、伊戸川君よろしくね…」



雄輝「はい。」



ガラガラ……


それから、俺は陽菜ちゃんのそばで勉強した

りして朝を迎えた…



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