「なんで?!いつ?」

笑、声おっきい。

『ん~昨日。アイツ、同僚の彼女と浮気したの。』

お箸やスプーンを並べながら、サラッと言ってみた私。

『しかも別れたくないとか、ずっと言ってきて。触られるだけで気持ち悪いのに、続けるのは無理でしょ。』

って…えーっっ!

『ちょ、壱兄、包丁出さないでっ!置いて置いて。』

無言のまま、壱兄が包丁を持って歩き出そうとしてる。

あなた、いちお警察官!

腕を掴んで強い力に引きずられながら、必死に止めてる私。

『銃刀法違反で捕まるから!てか、刺しちゃだめ!あっ、花ばさみもだめ!切っちゃだめ!こらっ。バイクのカギ持たない!轢くのもだめ!』

三人が三人、各々の武器を持ち、部屋を出ていこうとするから、慌てて止める。

「「「なんで?」」」

顔恐いから。

『なんででも!捕まるから!』

「ああ、うまくやるから。」

蜜、平然と言わないの。

とりあえず、武器を回収し、イスに三人を無理矢理座らせる。

『大丈夫だから。ちょっとストーカーちっくになってきてるけど、ヨリを戻す気なんてないから。どうやって嫌われようか考え中なの。』

「ストーカー?!あんなヤツが何かできるとは思えないけど、しつこくされても迷惑だろ。オレが言おうか?」

笑が心配そうに言ってくれる。

こう見えて、一番の心配症なんだよね。

「いや、待て。ああいうヤツは、そう簡単には椎から離れないと思うぞ。」